土用の丑の日にウナギを食べる理由とは何なのか、その歴史や効果について徹底的に解説していきます。

ウナギは日本人にとって馴染み深い食材ですが、その生態や産業には多くの謎や問題があります。この記事を読めば、ウナギに関する知識がぐんと深まることでしょう。それでは、早速見ていきましょう。
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土用の丑の日とは何か?
まずは、土用の丑の日という言葉の意味から見ていきましょう。土用とは、立春・立夏・立秋・立冬の前の各18日間のことで、季節の変わり目にあたります。特に、立秋の前の18日間を夏の土用といい、一年で最も暑い時期です。土用には十二支が割り当てられており、その中で丑(うし)の日が土用の丑の日となります。毎年2回ほどありますが、今年(2023年)は7月30日(土)が土用の丑の日です。
土用の丑の日にウナギを食べる理由は?

では、なぜ土用の丑の日にウナギを食べるようになったのでしょうか?その起源には諸説ありますが、一般的に有名な説は以下の3つです。
平賀源内説
平賀 源内(ひらが げんない、享保13年(1728年) – 安永8年12月18日(1780年1月24日)


江戸時代中期に活躍した蘭学者で戯作者(げさくしゃ)の平賀源内が、知人の鰻屋のために「本日、土用の丑の日」と書いて店頭に張り紙をしたところ、大繁盛したことがきっかけだという説です。平賀源内は「ウナギを食べると夏負けしない」というキャッチコピーも考えたとされています。この説は江戸時代後期に書かれた『江戸砂子』や『江戸名所図会』などに記されており、現在でも広く信じられています。
五行説

中国から伝わった陰陽五行思想に基づく説です。五行思想とは、万物は木・火・土・金・水の五つの元素から成り立ち、それらが相互に影響しあって自然界や人間社会を規定するという考え方です。この思想では、季節や方角や色なども五行に対応しており、
夏は火
火は南
南は赤
赤は心臓
心臓は苦味
という関連性があります。つまり、夏は火気が強くなり心臓に負担がかかるため、それを補うために苦味を摂る必要があるとされました。また、
丑は土
土は中央
中央は黄色
黄色は脾臓
脾臓は甘味
という関連性があります。つまり、丑の日は土気が強くなり脾臓に負担がかかるため、それを補うために甘味を摂る必要があるとされました。ウナギは苦味と甘味の両方を持つ食材であるため、夏の土用の丑の日に食べるのに適していると考えられたという説です。
うのつくもの説
もともと、土用の丑の日には「う」のつくものを食べる風習がありました。これは、「う」が「有(ゆう)」や「雨(う)」に通じて縁起が良いとされたからだといわれます。この風習に従って、ウナギ以外にもウリやウドなどの野菜やウグイなどの魚を食べる地域もありました。

ウグイ
かし、江戸時代に入ってからは、ウナギが最も人気のある「う」のつく食べ物になったという説です。
ウナギを食べる効果は?
ウナギを食べることには、どんな効果があるのでしょうか?ウナギは栄養価が高く、特にビタミンやミネラルが豊富です。以下では、ウナギに含まれる主な栄養素とその効果を紹介します。
筋肉や臓器など体を構成する「たんぱく質」
ウナギはたんぱく質が豊富で、100gあたり約18g含まれています8。たんぱく質は筋肉や臓器など体を構成する重要な栄養素で、成長や修復に必要です9。また、免疫力を高めたり、エネルギー源となったりする働きもあります9。夏バテや疲労回復に効果的です。
皮膚や粘膜、目の健康を維持する「ビタミンA」
ウナギはビタミンAが非常に多く含まれており、100gあたり約1400μgあります。これは成人男性の1日の推奨摂取量(900μg)の約1.5倍に相当します。ビタミンAは皮膚や粘膜、目の健康を維持する働きがあり、感染症や乾眼症などを予防します。また、抗酸化作用もあり、老化防止や美肌効果も期待できます。
ブドウ糖代謝や皮膚や粘膜の機能を保つ「ビタミンB群」
ウナギはビタミンB群を多く含む食材です。ビタミンB群には、ビタミンB1、B2、B6、B12などがあり、それぞれにさまざまな効果があります。以下では、ウナギに含まれるビタミンB群の主な効果を紹介します。

ビタミンB1は、糖質をエネルギーに変えるために必要な栄養素です。糖質を多く摂る、または体を動かす仕事をしているという人は、エネルギーの産生が盛んなため、より多くのビタミンB1摂取が必要です。ビタミンB1は疲労回復や神経の働きを助ける効果もあります。
ビタミンB2は、糖質と脂質の代謝にかかわっています。また、皮膚や粘膜の機能を正常に保つことに関わっています。不足すると口内炎、口角炎、舌炎、角膜炎などを起こします。
ビタミンB6は、たんぱく質の代謝や合成に必要な栄養素です。また、血液中のヘモグロビンの生成や免疫機能の向上にも役立ちます 。
ビタミンB12は、赤血球の生成や神経系の健康に必要な栄養素です。不足すると貧血や神経障害を引き起こす可能性があります 。
ウナギはビタミンB群をバランスよく摂取できる食材です。特にビタミンB1とB2は豊富で、100gあたり0.37mgと0.48mg含まれています。これは成人男性の1日の推奨摂取量(1.2mgと1.5mg)の約30%に相当します。夏バテや疲労回復に効果的です。
ウナギの養殖や漁獲にはどんな問題があるの?
ウナギを食べることには多くの効果がありますが、その一方で、ウナギの養殖や漁獲には様々な問題があります。以下では、ウナギの生態や産業に関する主な問題点を紹介します。
ウナギの天然資源の減少
ウナギは、海で産まれた稚鰻(しらすうなぎ)が川や湖に遡上(そじょう)して成長し、再び海に戻って産卵するという生活環を持っています 。

しかし、近年では、ダムや堰(せき)などの河川開発や水質汚染、乱獲などによって、稚鰻の遡上や成鰻(せいうなぎ)の下流回遊が妨げられています 。

その結果、ウナギの天然資源は激減し、絶滅危惧種に指定されています 。日本では、2013年から稚鰻の漁獲量が規制されており 、2023年度は前年度比で約40%減の約15トンという低水準となっています。
ウナギの養殖における問題
ウナギの天然資源が減少する中、ウナギの需要を満たすために養殖が盛んに行われています。しかし、ウナギの養殖にもいくつかの問題があります。まず、ウナギは人工的に産卵させることができないため 、養殖用の稚鰻はすべて天然から採取されています 。

これは、天然資源の減少を加速させる可能性があります 。また、稚鰻は主に中国や台湾から輸入されており 、その品質や安全性について不安視される声もあります 。さらに、ウナギの養殖は大量のエサや水を消費し 、排泄物や薬品などが水質汚染を引き起こすことも指摘されています 。
ウナギを食べる際の注意点は?
ウナギを食べることには多くのメリットがありますが、その一方で注意すべき点もあります。以下では、ウナギを食べる際の注意点を紹介します。
過剰摂取による副作用
ウナギは栄養価が高い食材ですが、過剰に摂取すると副作用を起こす可能性があります。特に、ビタミンAやビタミンB群は、適量であれば健康に良いですが、過剰に摂取すると中毒症状を引き起こすことがあります 。

ビタミンAの過剰摂取による中毒症状としては、頭痛、吐き気、下痢、皮膚のかゆみやひび割れ、肝臓の障害などがあります 。ビタミンB群の過剰摂取による中毒症状としては、神経系の障害、消化器系の不調、皮膚の発赤やかゆみなどがあります。ウナギを食べる際は、適度な量にとどめることが大切です。
アレルギー反応
ウナギはアレルギーを引き起こす可能性がある食材です。ウナギに含まれるたんぱく質が免疫系に認識されてアレルギー反応を起こすことがあります 。アレルギー反応としては、口や喉のかゆみや腫れ、じんましん、喘息(ぜんそく)、アナフィラキシーショックなどがあります 。

ウナギに対するアレルギーは比較的珍しいですが 、もしウナギを食べた後に異常な症状が出たら、すぐに医師に相談することが必要です。
まとめ
この記事では、土用の丑の日にウナギを食べる理由とは何なのか、その歴史や効果について徹底的に解説しました。ウナギは日本の伝統的な食文化であり、夏バテ対策や美容・健康にも良い食材です。しかし、ウナギの天然資源の減少や養殖の問題などもあります。
ウナギを食べる際は、適量を守り、アレルギー反応にも注意することが大切です。土用の丑の日にウナギを食べて元気に夏を乗り切りましょう!